今回紹介するドラマは そして誰もいなくなった
世界で最も読まれているミステリー小説であり、1939年から現在まで1億部以上を売り上げたアガサ・クリスティー代表作のドラマ化です。
2015年12月26日～28日 イギリスBBC Oneで３夜連続放送(全３話 計180分)
原題：And Then There Were None
実は…【そして誰もいなくなった】の結末は2パターンあった！
アガサファンには言わずもがなですが
この作品は、原作とクリスティー自身が手がけた戯曲とでは、違う結末になっています。
結局のところ、誰もいなくなってしまっては、舞台ではマズイ…という事で書き直しされたようです。
過去に数々映像化された作品も戯曲版の結末が多いように思います。
その中で、1945年の20世紀フォックスで製作された映画もまた戯曲版で描かれていました。
勿論、私も戯曲版の方が救いのある終わり方で好きですね。
では、BBC One製作の今回の作品は…
多くの方が知っている戯曲版ではなく、原作版の結末になっています。
映像化の中では、珍しいラストを観られるのではないでしょうか
ラストは勿論 そして誰もいなくなった…
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只今こちらの動画配信サイトでご視聴頂けます
(配信は投稿時のものとなります)
あらすじ・キャスト紹介
映画【ホビット】でキーリ役を演じたエイダン・ターナーが出演していました。
冒頭、誰このイケメンは？と全く分かりませんでしたが…
キーリとは真逆な役どころですが…結末はキーリーと同じ悲劇的に(またまた可哀想～)
また、このドラマは年末のスペシャル版だったのでしょうか？
その他のキャストには
サム・ニール、チャールズ・ダンス、トビー・スティーブンス、ダグラス・ブース等そうそうたるメンバーを揃え、流石の演技力でドラマにグイグイ引き込まれました。
BSプレミアム『そして誰もいなくなった』の第一話。快調な滑り出し。1939年のイギリスに始まるが、原作の単行本も同年に刊行されている。今回の主演は、メイヴ・ダーモディ、エイダン・ターナー（良い）、名優チャールズ・ダンス、サム・ニール、ミランダ・リチャ－ドソン。結末の処理が楽しみ。 pic.twitter.com/4EUfoxN5nI
— Watabe Gen 渡部幻 (@geeen80) November 28, 2016
あらすじ
1939年8月の暑いある日
イギリスのデボン州にある兵隊島に、オーエン夫妻に招待された8人のゲストが訪れていました。
島では、オーエン夫妻の使用人夫婦がゲストを出迎えています。
そしてゲスト達は、それぞれの部屋へ案内されます。
この屋敷には、“10人の小さな兵隊さん”の詩が至る所に飾られていました。
その後も、招待主のオーエン夫妻は一向に現れず、主の不在のまま夕食の時間を迎えることに…
ダイニングテーブルには、“10人の小さな兵隊さん”をモチーフにして円状に10体の兵隊人形が飾られています。
ゲストの食事がすすむ中、突然アナウンスが部屋中に流れ始めました。
そのアナウンスとは…待客と使用人10人全員の殺人の罪を告発するものでした。
そして…童謡“10人の小さな兵隊さん”になぞらえた連続殺人事件が始まります。
1人目の犠牲者は…
ここからはネタバレを含みます
見立て殺人の順にキャスト紹介
1人目 小さな兵隊さんが10人、食事に行ったら1人が喉につまらせて、残り9人
アンソニー・マーストン/ダグラス・ブース
罪状：交通事故で2人の子どもを死亡させた罪
若くて軽薄な青年。事故後も反省せずに高級車を乱暴に乗り回していました。
死因：服毒死
2人目 小さな兵隊さんが9人、寝坊をしてしまって1人が出遅れて、残り8人
エセル・ロジャーズ/アンナ・マックスウェル・マーティン
オーエン夫妻に雇われた料理人。夫婦で雇われて島にやって来ました。
罪状：夫と共に以前の雇用主を枕で窒息死させ遺産を相続した罪。
実行犯は夫のトマスでが、エセルはトマスの暴力に負け沈黙を守っていました。エセルはトマスのDVや罪の意識から心を閉ざしてしまっています。
死因：睡眠薬の過剰摂取
3人目 小さな兵隊さんが8人、デボンへ旅行したら1人が残ると言い出して、残り7人
ジョン・マッカーサー/サム・ニール
退役した老将軍。
罪状：妻の愛人で将軍の部下を銃殺。
その後、将軍の妻は流行したスペインかぜに罹り死亡しています。
”迎えは来ない。島からは出られない”と達観視していた将軍は、部下を殺した罪を懺悔し、楽になれるならと悟り死を覚悟していました。
死因：撲殺
4人目 小さな兵隊さんが7人、薪割りしたら1人が自分を割ってしまって、残り6人
トマス・ロジャーズ/ ノア・テイラー
オーエン夫妻に雇われた使用人。妻のエセルと島にやって来ました。
罪状：以前の雇用主を枕で窒息死させ遺産を相続した主犯の罪。
妻の死後も使用人としてゲストの世話をしていました。
死因：斧による斬殺
5人目 小さな兵隊さんが6人、丘で遊んでたら1人が蜂に刺されて、残り5人
エミリー・ブレント/ ミランダ・リチャードソン
キリスト教信者の老婦人。
罪状：10代の若い使用人が妊娠した事に腹を立て追い出し、彼女を自殺に追いやった罪
厳格すぎる信仰心から、下の階級の者への侮蔑や偏狭的な考えの持ち主
死因：編み棒で頸部を刺され死亡
6人目 小さな兵隊さんが5人、大法官府に行ったら1人が裁判官を目指すと言って、残り4人
ロレンス・ウォーグレイヴ/ チャールズ・ダンス
著名な元判事。死刑を宣告した囚人の処刑には必ず立ち会うことから“首吊り判事”とも呼ばれていました。
罪状：冤罪の囚人に死刑を宣告し執行した罪。
しかし、その後囚人の犯行を記した日記が見つかり有罪が確定しています。
死因：射殺
判事の正装の姿で頭部を撃たれ死亡していました。判事だけ冤罪で殺されてしまっています…(これは伏線です)
7人目 小さな兵隊さんが4人、海に行ったら燻製ニシンに食べられて、残り3人
エドワード・アームストロング/ トビー・スティーブンス
ロンドンの医師。
罪状：酒に酔った状態で手術をして患者を死なせた罪。
当時、既にアルコール中毒の症状が出ていました。
ウォーグレイヴ判事が殺された後に、行方不明になっています。
死因：溺死
8人目 小さな兵隊さんが3人、動物園に歩いて行ったら熊に抱かれて、残り2人
ウィリアム・ブロア/ バーン・ゴーマン
元警部の探偵。
罪状：同性愛者を激しく暴行して死亡させた罪。
当初、身分を隠し偽名を使っていたため、ロンバートから「ずんぐり」と呼ばれてしまいます。
孤島での異常な状況下で、自分の犯した罪を認め懺悔します。
死因：包丁で刺殺。
熊の敷物が足を抱いた状態で発見されています。
9人目 小さな兵隊さんが2人、日向ぼっこしてたら日に焼かれて、残り1人
フィリップ・ロンバード/エイダン・ターナー
元陸軍大尉
罪状：ダイヤモンドを奪うために現地人21人を殺した罪
ヴェラとは、冒頭の島へ向かう途中の列車で出会います。ロンバードは、最悪な出会いをしたヴェラと気まずい関係になりますが、ヴェラに惹かれ彼女を最後まで守ろうとしました。
死因：射殺
最後にヴェラと2人が残され、疑心暗鬼になったヴェラに銃を奪われ射殺されてしまいます(最後までヴェラを信じていたのに～)
10人目 小さな兵隊さんが1人、1人になってしまって首を吊る、そして誰もいなくなった
ヴェラ・クレイソーン/ メイブ・ダーモディー
体育教師。副業で家庭教師や秘書の仕事もしています。
罪状：家庭教師をしていた少年の叔父と恋人関係になり、結婚を約束した事をきっかけに財産相続目的で、少年に泳げない距離の遠泳をさせて溺死させた罪。
死因：首吊り
勝手に私見考察
1939年に書かれた推理小説ですが…
アメリカのTVドラマ【デクスター】も真っ青のサイコパスな真犯人で、法で裁かれなかった悪人たちを孤島に隔離し1人づつ殺していき
最後に…そして誰もいなくなった…って現在でも斬新で残酷なストーリーだと思います。
そのとっても怖いストーリーの原作者アガサ・クリスティーは、
子どもの頃は、学校には通わず母親の家庭教育で育ち、父親の書斎の本から多くの知識を得た少女でした
(いったい、どんな本を読んでいたのでしょう？)
そんな彼女が、世界で1億部以上も読まれる推理小説を書いたのです！
やはり天才は違う…
と思い知らされる素晴らしいサスペンス作品でした。
そして今回のBBCドラマは、登場人物達が犯した犯罪も細かく描かれ
ほぼ原作に近い設定と陰鬱とした演出で異様な様が強調されていました。
その中で！
エイダン・ターナーの芸術的な美ボディは必見です！
ウットリして癒し効果抜群！唯一救われた一瞬でした。
また、この作品は何度も映像化されていますので、それぞれ違う演出を見比べてみても楽しめますよ。
