今回は、いつもの海外ドラマ紹介とはちょっと違います
普段このブログでは、海外ドラマや映画を紹介しています。
登場人物の魅力やストーリーの面白さ、時には納得できない最終回についても、あれこれ考えながら記事を書いています。
しかし、今回取り上げるのは、いつも紹介しているような海外ドラマとは少し違います。
最近、YouTubeなどで見かけるようになった、
短いエピソードで怒涛の展開を見せるショートドラマ。
その中でも、今回ご紹介したいのは、
最後まで見ても、いったい誰が幸せになったのだろうと思ってしまうような作品です。
いや、正確には、幸せになるまでにヒロインが受ける仕打ちがあまりにもひどい。
恋愛ドラマのはずなのに、見ているこちらは恋のときめきよりも「もう、いい加減にしてあげて!」という気持ちになってしまいます。
今回は、そんな作品をきっかけに、中国発のショートドラマに見られる独特の世界を、
少々辛口で眺めてみたいと思います。
1.SFでもファンタジーでも、恋愛の基本設定はほぼ同じ?
この手のショートドラマを見ていると、ある疑問が浮かんできます。
なぜ、このラブストーリーいつも同じパターンなの?
舞台は現代の大企業かもしれません。
あるいは、異世界だったり、超常現象が存在する世界だったり、SF的な設定が用意されていたりします。
ところが、物語の中心にあるものは驚くほど似ています。
- 不幸な境遇に置かれたヒロイン
- 圧倒的な権力や財力を持つ男性
- ヒロインを徹底的に追い詰めるライバル
- 継母、継姉妹が性悪で凶暴
- 誤解、裏切り、身分の秘密
- 最後に訪れるはずの逆転と復讐
つまり、舞台装置を入れ替えても、恋愛と復讐の基本セットはそのまま。
現代劇であれば大富豪、ファンタジーなら特別な能力を持つ男性、SFなら未来の技術や特殊な社会制度。設定は違っても、ヒロインがひどい目に遭い、強い男性が現れ、敵を打ち負かすという流れは変わりません。
もちろん、同じ型を使うこと自体が悪いわけではありません。
シンデレラの物語だって、時代や国を越えて繰り返し描かれてきました。
ただ、これほどまでに同じような展開が並ぶと、作品を見ているというより、恋愛ドラマのテンプレートに別の衣装を着せたものを見ている気分になります。
舞台は変わっても、ヒロインの受難だけは変わらない。
制作する側にとっては効率のいい仕組みなのかもしれませんが、見る側としては、もう少し物語そのものに意外性が欲しくなります。
2.虐げられたヒロインと、都合よく現れる大富豪の男性
このジャンルの定番といえば、やはり格差恋愛です。
ヒロインは、家庭や職場などで不当な扱いを受けています。
周囲から見下され、侮辱され、時には人間としての尊厳まで踏みにじられる。
そんな彼女の前に現れるのが、容姿端麗で、財力も権力もあり、いざとなれば何でもできてしまう男性です。
彼はヒロインの本当の価値を見抜き、彼女を助け、やがて恋に落ちる。
現実の恋愛では、こんなに都合よく救世主が現れることは、そうそうありません。
しかも、男性が大富豪であることが重要なのです。
一般的な会社員が「それはひどい仕打ちだね。一緒に相談しよう」と言ってくれるのでは、物語としては物足りないのでしょう。
必要なのは、相手をクビにすることも、会社を買収することも、敵の人生を一瞬で変えることもできる圧倒的な力。
お金と権力が、恋愛における最強の武器になっています。
もちろん、苦しい状況にある人が救われる物語には、カタルシスがあります。
現実では理不尽なことが起きても、すぐに解決できるとは限りません。だからこそ、フィクションの中で誰かが助けてくれる展開に、気持ちよさを感じることもあるでしょう。
ただ、少し意地悪な見方をするなら、ヒロイン自身が自分の力で状況を変えるというより、強い男性に選ばれることで、初めて人生が好転する構図になりがちです。
恋愛の相手が現れるまでは、なぜここまで周囲に振り回されなければならないのか。
そして、なぜ彼女を救うために、毎回これほどの財力が必要なのか。
そんな疑問を抱き始めると、恋愛ドラマのはずなのに、だんだん別のものを見ている気がしてきます。
3.もうひとつの定番、ファンタジー版ラブロマンス
さて、格差恋愛と復讐が定番なら、もうひとつ忘れてはいけないジャンルがあります。
それが、ファンタジーラブロマンスです。
現代劇では大富豪だった男性が、ファンタジーの世界では特別な力を持つ存在になったり、人間ではない何者かになったりする。
舞台が現実世界から離れることで、恋愛の設定も一気に大胆になります。
人間と人間ではない存在との恋、身分を超えた愛、呪いや運命に縛られた二人……。
設定だけを見ると、壮大でロマンチックです。
ところが、物語の基本構造を眺めてみると、どこか見覚えがあります。
特別な事情を抱えたヒロインがいて、圧倒的な力を持つ男性がいて、二人の恋を邪魔する存在がいて、次々と試練が訪れる。
そう、舞台がファンタジーになっても、恋愛ドラマの鉄板は健在なのです。
むしろ、魔法や呪い、転生などの設定が加わることで、現実の恋愛なら成立しないような展開まで可能になります。
普通の恋愛なら「もう別れたほうがいいのでは?」で済む話も、ファンタジーの世界では、運命や宿命、超自然的な力まで巻き込んだ大事件に発展します。
恋愛を成就させるために、そこまで壮大な設定が必要なのか。
そう思いつつも、非現実的な世界だからこそ味わえるロマンがあるのも事実です。
ただ、ファンタジーという新しい衣装をまとっていても、ヒロインが苦難に耐え、強い男性との関係に翻弄され、最後に大きな運命の転換を迎えるという型が繰り返されると、だんだん見えてくるものがあります。
舞台は変わる。設定も変わる。でも、恋愛を盛り上げるための仕組みは、意外なほど変わらない。
現代劇では財力や権力、ファンタジーでは魔力や運命。
使う道具が違うだけで、視聴者の感情を揺さぶる方法は共通しているのかもしれません。
もちろん、ファンタジーラブロマンスそのものが悪いわけではありません。王道の展開だからこそ安心して楽しめる作品もあります。
問題は、王道を使うことではなく、王道を繰り返すだけで物語が成立してしまうこと。
さて、この作品はファンタジーという舞台を生かして、どこまで新鮮な物語を見せてくれるのでしょうか。
そんな視点で見ると、いつもの恋愛ドラマとは少し違った楽しみ方ができそうです。
4.ライバルのいじめが、もはや犯罪の領域
そして、私が特に気になったのが、ヒロインを苦しめるライバルの存在です。
普通の恋愛ドラマなら、恋のライバルが登場して、ヒロインを陥れたり、恋人を奪おうとしたりすることはあります。
しかし、この手の作品では、嫉妬や嫌がらせのレベルが、ずいぶんと極端です。
単なる悪口や意地悪では済みません。
ヒロインの人生そのものを壊しかねない行為まで飛び出します。
ここまでくると、恋愛のライバルというより、犯罪ドラマの犯人ではないかと思うほど。
しかも、なぜか周囲の人々は、そんな悪行を目の前で見ていても気づかなかったり、都合よく誤解したりします。
「いや、どう考えてもおかしいでしょう」
画面に向かって、そう突っ込みたくなる場面が次々と登場します。
ライバルの悪事がひどければひどいほど、最後に成敗されたときの爽快感は大きくなります。
そのためには、悪役に徹底的な悪事を働かせる必要があるのでしょう。
しかし、ここまで悪意を盛り込まなければ物語を成立させられないのだとしたら、ずいぶんと極端な世界です。
登場人物たちは、普通に会話をして誤解を解くという選択肢を、どこかに置き忘れてきたのでしょうか。
少し話し合えば済みそうな問題まで、なぜか人生をかけた大騒動に発展していきます。
この世界では、穏やかな日常も、冷静な話し合いも、物語の敵なのかもしれません。
5.勧善懲悪のはずなのに、そこまでやる必要がある?
もちろん、悪いことをした人間が報いを受ける展開は、物語の大きな魅力です。
散々ヒロインを苦しめてきた人物が最後に失脚する。
隠されていた真実が明らかになる。
見下していた相手が、実は自分よりはるかに強い立場にいたと知る。
こうした逆転劇は、見ていて気持ちがいいものです。
ところが、勧善懲悪を徹底しようとするあまり、悪役の悪行も、ヒロインの苦難も、どんどん過激になっていきます。
視聴者が「かわいそう」「許せない」と思うほど、最後の逆転が盛り上がる。
そのために、まずはヒロインを徹底的に追い詰める必要があるわけです。
まるで、視聴者の怒りを貯金しておいて、最後にまとめて払い戻すような仕組みです。
ただし、そこまで苦しめられたヒロインが、最後に幸せになればすべて解決するのでしょうか。
受けた仕打ちがあまりにも大きいと、悪役が罰を受けても、見ている側の気持ちがすっきりしないことがあります。
傷つけられた人の人生は、敵が失脚しただけで元に戻るわけではありません。
それでも物語は、復讐や逆転を優先して、次々と大きな事件を起こしていきます。
今回の作品も、最後まで見届けたとき、単純に「よかった、幸せになれて」と言い切れない気持ちが残りました。
勧善懲悪は嫌いではありません。でも、そこまで地獄を見せなければ、正義は成立しないのでしょうか。
6.登場人物は西洋人。でも、これはアメリカのドラマ?
もうひとつ面白いのが、登場人物の見た目です。
主要キャラクターは西洋人で、舞台や衣装、会話の雰囲気も、いかにも欧米の恋愛ドラマといった印象を受けます。
そのため、コメント欄でアメリカの作品だと思っている人がいても、不思議ではありません。
ところが、作品を見ていると、どこか独特の感覚があります。
大富豪の男性、身分を隠した主人公、極端な格差、過剰な嫉妬、次々と起こる裏切り、そして最後の大逆転。
欧米風の外見をまとっているのに、物語の運び方は、別の文化圏の恋愛小説やウェブ小説に通じるものを感じさせます。
実際、中国発のショートドラマでは、海外の視聴者に向けて西洋人の俳優や現地風の設定を取り入れる制作モデルが見られます。中国で発展した物語の型を、海外市場に合わせて展開しているのです。
つまり、画面に映る人物の国籍や見た目だけでは、制作の背景まで判断できないということ。
ハリウッド映画のような雰囲気があるからといって、必ずしもアメリカの制作会社が作った作品とは限りません。
逆にいえば、欧米風の見た目は、物語を世界に売り出すためのパッケージのひとつなのかもしれません。
もちろん、西洋人が出演しているから中国作品らしくない、という話ではありません。
興味深いのは、物語の舞台や登場人物を海外向けに変えても、恋愛や復讐の基本パターンがしっかり残っていることです。
世界中の視聴者が、同じような設定に引きつけられる。
その現象自体が、なかなか興味深いと思います。
7.なぜ、こんな物語が次々と作られるのか
ここまで辛口で書いてきましたが、そもそも、なぜ似たような作品が大量に作られるのでしょうか。
理由のひとつは、ショートドラマという形式と、配信ビジネスの相性のよさにあると考えられます。
短い時間で強い感情を引き出し、続きが気になるところでエピソードを終える。
次の話を見れば、また新たな秘密や裏切りが明らかになる。
この繰り返しは、スマートフォンで気軽に動画を見る習慣とよく合っています。
また、恋愛、格差、復讐、秘密の暴露といったテーマは、短い尺でも視聴者に状況を伝えやすいものです。
複雑な人物描写や長い伏線を積み重ねなくても、誰が悪者で、誰が苦しんでいて、最後に誰が勝てば気持ちがいいのかが、すぐにわかります。
さらに、ヒットした物語の型を別の設定に応用すれば、新しい作品を作る際にも活用できます。
SFにしても、ファンタジーにしても、現代の格差恋愛にしても、基本となる感情の動かし方は共通しています。
こうした仕組みが、大量生産と相性のいい環境を生み出しているのでしょう。
ただし、ショートドラマのすべてがAIで作られているわけではありません。人間の俳優が出演する作品もあれば、AIで映像を生成する作品もあり、制作方法はさまざまです。
いずれにしても、作品をじっくり練り上げることより、短い時間で視聴者の心をつかむことが重視される場合、似たような展開が繰り返されやすくなります。
そして、私たち視聴者も、文句を言いながら続きを見てしまう。
「こんなひどいことがある?」
「いや、そこで信じるの?」
「もう、その男とは別れたほうがいい!」
そう思いながら、次のエピソードを再生してしまうのです。
なんだかんだ言って、私たちもこの仕組みに、しっかり乗せられているのかもしれません。
8.最後まで見たのに、救いがない。それでも見てしまう不思議
今回紹介したショートドラマの中でこの作品のインパクトが凄かったので紹介します。
この作品で、私がいちばん強く感じたのは、物語の展開そのものへの驚きよりも、最後まで見たあとに残る、何ともいえない胸糞感でした。
ヒロインは、いったい何のために、ここまでひどい目に遭わなければならなかったのでしょう。
家族とは、相手を思いやり、支え合い、ときには困難を乗り越えていくものではないのでしょうか。
ところが、この世界では、ヒロインが徹底的に傷つけられ悲壮の中で死を迎える所から始まります。
しかも、義理の妹の悪意は際限なく膨らみ、周囲の人間は信じられないほど鈍感で、問題はいつまでも解決しません。
それでも物語は進みます。
いや、むしろ、問題を大きくし続けるからこそ、短い時間でも視聴者の心を引きつけるのかもしれません。
普段、海外ドラマを見ていると、登場人物の心理や背景、ストーリーの整合性などリアル感が大切だと思いますが、
これらのショートドラマでは、また別の楽しみ方が生まれてきます。
次はどんな無茶な展開が待っているのか。
この悪役は、いったいどこまでやらかすのか。
そして、ここまで追い詰められたヒロインに、本当に救いは訪れるのか。
もはや、物語の行方を見守っているというより、物語がどこまで極端になれるのかを見届けているような気分です。
もちろん、短いドラマに複雑な心理描写や緻密な脚本をすべて求めるのは酷かもしれません。
手軽に見られて、わかりやすく、感情を大きく揺さぶってくれること。それ自体も、ひとつのエンターテインメントです。
ただ、今回の作品を見終えてみて、ひとつだけ疑問が残りました。
いったいこのドラマに込められたテーマって何?
ヒロインの殺人事件を捜査する両親のお粗末極まるキャラ設定…
そして、救いのない物語を最後まで見届けた私たちは、いったい何を得たのでしょうか?
ラストに怒涛のように押し寄せる家族の後悔と涙に、私は思わず涙腺崩壊してしまった…
ただ、いつもの海外ドラマとは違う意味で、
救いようのない物語の1つとして、インパクトの強い作品でした。
まとめ|劇場型メロドラマを紹介したわけ
世界各国で、迷惑行為が目立つ中国人。
日本国内でも度々見聞きする事があります。
そうした、彼らの行動には如何とも理解しがたいことが多々ありますが、
何だか、このショートドラマをとおして、彼らの価値観が見えたように思います。
中国は、無宗教で1党独裁国家、また、日本の神道や仏教的価値観もありません。
だから、彼らにとっての正義とは、権力やお金であり!
信じられるのは、物理的なもの~なんだと思います。
このブログでは、海外ドラマや映画から国柄の違いも感じてもらえたらいいなぁと思っています。
また、秋という季節は、年度末に向け職場での追い込み、
家族や自身の進路決定に直面する時期です。
そういう私も、職場の移動や子供の進路など現在進行形で大変な時期に入っています。
皆さんの中にも、毎日モヤモヤを抱えている方もいますよね…
そんなモヤモヤを吹き飛ばしたい方へ
何も考えずにスカッとさせてくれる、この強烈なショートドラマがお勧めです!

