今回紹介する映画はインターステラー
クリストファーノーラン監督、製作、脚本 のSF超大作
クリストファーノーラン監督は、バットマンシリーズ(バットマン ビギンズ2005年、ダークナイト2008年、ダークナイト ライジング2012年)やインセプション(2010年)の代表作があるヒットメーカーです。
監督は「映画館で子供達に宇宙を旅して欲しい」と語っている通り、ワームホールの描写や相対性理論を可能な限りリアリティに映像化しています。
キャスト紹介
- 元空軍パイロットジョセフ・クーパー/マシュー・マコノヒー
- クーパーの娘マーフィー・クーパー/ジェシカ・チャステイン/(幼少期)マッケンジー・フォイ
- ラザロ計画発案者 ジョン・ブランド 教授 /マイケル・ケイン
- ブランド教授の娘でラザロ計画に参加するアメリア・ブランド/アン・ハサウエイ
- ラザロ計画の先駆者で氷の惑星から信号を送っていたヒュー・マン博士/ マット・デイモン
- クーパーの息子トム・クーパー /ケイシー・アフレック/(幼少期)ティモシー・シャラメ
華やかな出演者が揃っていますが、映画の中では見事に派手さを抑え込んでいます。
マシュー・マコノヒーってもっとカッコイイよね。開始当初はクーパーってマコノヒーだよね?と分かり難いくらい地味でした。アン・ハサウエイもまた、ベリーショートで殆どノーメイクです。
皆、地味にシリアスな役を演じ、オーラーを見事に消しています。
またそこが本作品のテーマ人類存亡を賭けた挑戦にシリアス感を強く出しているようにも感じます。実際マコノヒーのキャスティングを「観客に物語を体験させる」ためのごく普通の人物であると監督は語っています。
ノーラン監督の拘り
ノーラン監督のネット嫌いは有名ですが、本作はIMAX用と通常の35ミリのフィルムで撮影されています。(IMAXに興味のある方は引用:Wikipedia参照してください)
デジタルカメラではなくフィルムに拘るノーラン監督。
スペースシャトルの内部では実物のセットを建築してますし、宇宙船レインジャー、エンデュランス、ランダーは、ミニュチュアモデルを作成して撮影されています(実にアナログ)
CGを最小限に抑えた作品でリアリティ感を出しています。
また本作は、ヒューマンドラマとしても素晴らし展開で涙腺崩壊は間違いありません。
人類存亡を賭けた人々の勇気と信念、家族愛と信頼、とても奥深い物語となっています。
物理学を映像化した醍醐味
ノーラン監督作品は、賛否両論別れるようですね。JJエイブラハム監督作品(フリンジ)もそうだと思いますが、SFって科学的理論をどこまで追求し映像化していくか、イマジネーションの映像化、結構重要なファクターですよね。SFファンからしたら、そこが醍醐味でしょう。
数式では証明されていても、誰も経験もなく見たことさえない世界を映像にしていく作業って…想像しただけでもものすごい作業量でしょうね。
実際に本作品は、現在の物理学とほぼ同じレベルで映像化され専門家からも高い評価をされています。
重力理論、特殊相対性理論(日本ではウラシマ効果と言われる)等々難しい専門用語が沢山出てきます。
私は物理学はチンプンカンプンです。相対性理論とか難しすぎてついていけませんので、このブログでは説明を省きますが、ネット上には山ほど情報があふれていますので参考にされてみて下さい。
私の解釈では…
ドラえもんに出てくるのび太の机の引き出し(ワームホールのイメージ)や宇宙戦艦ヤマトのワープ(時空間の移動、行先不明な所)のイメージです。
身近にある時間差の話
私達の生活で大活躍のGPSが正に!
衛星から地球までには時間差が生じています。(詳しく知りたい方はみちびきのリンク(引用先)貼っておきます)
国立天文台等が初めてブラックホールを撮影した時の会見 <出典:YouTube>
宇宙でのシーンは殆どが、ノーラン監督の創造です。もちろん理論物理学者のキップ・ソーン(2017年、重力波検出装置の構築及び重力波発見の貢献を認められノーベル物理学賞を受賞している。)が科学コンサルタント兼製作総指揮を務めていますが。そうして制作された作品は、私達観客に相対性理論を体験させてくれます。タイトルのインターステラの意味は星と星の間の、惑星間の(引用:Weblio辞書)です。
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(配信は投稿時のものとなります)
あらすじ
荒廃する地球
近未来の地球は、異常気象により雨が降らず、砂漠化、食物にも疫病が蔓延しオクラやジャガイモも生育しなくなり、トウモロコシが何とか生育しますが、いずれそれも困難となる状況でした。
元空軍パイロットのクーパーは、義父と15歳の息子トム、10歳の娘マーフーとともにトウモロコシ農場を営んでいました。
マーフの部屋の本棚から本が勝手に落ちる現象が起き、マーフは幽霊のせいだと信じていました。
クーパーはマーフに言い聞かせます。「幽霊を怖がってはいけない、もっと踏み込んで事実を分析しろ。現象には必ず理由があるで結論を出す」
その言葉を聞いて、マーフは事実を集め分析を始めます。
ある日巨大な砂嵐が街を襲い、野球観戦をしていたクーパー達は急いで帰宅します。
マーフは自分の部屋の窓を閉めにドアを開けると、部屋には砂が舞い込んでいました…しかし何かが変です。
翌朝マーフィが部屋へ戻るとそこにクーパーがいました。
クーパーは、何者かが砂でメーッセージを送っていると言い、それは重力によって記されていたと気づきます。
クーパーとマーフは、そのメッセージを座標と解読し(このシーンは終盤へ繋がる大切な場面)2人は、座標を目指し秘密施設にたどり着きました。
そこは、すでに無くなっていたはずのNASAだったのです。
そしてクーパーとマーフは、かつての仕事仲間のブランド教授と娘のアメリア・ブランド博士と再会します。
ラザロ計画
NASAは土星付近に彼らによって作られたワームホール⁽時空のある一点からトンネルのような抜け道を通過し別の一点へ繋がる)を通り抜けて、人類の新天地を探しだすラザロ計画を既に進めていました。
48年前に12の惑星に1名ずつ探索者が送り込まれています。そして、3名が入植が期待できる惑星から信号を送り返しているのです。
ブランド教授は、その惑星へ向かうパイロットとして参加するようクーパーを説得します。
本当に惑星へ辿り着けるのか、信号が送られている惑星は確かなのか、そして地球に帰還出来るのか…
マーフは、クーパが作戦に参加する事に反対します。
クーパーの決意も堅く2人は最後まで和解できないまま、出発の日を迎えてしまいました。
クーパーはマーフに「必ず戻ってくる」と言い残し、アメリア、リー、ドイルの3名の博士と、ロボットTARSと共に探査船レインジャーに搭乗しラザロ計画遂行の為出発します。
ラザロ蘇生:イエスの友人ラザロが死んでから4日後にイエスが訪れ、ラザロを生き返らせた聖書の話。ブランド教授が何故ラザロ計画と名付けたか。ラストに意味が分かります。
勝手に私見考察
ネタバレも含まれます。
物語では、相対性理論や重力理論等科学的な見解が見所ではありますが、
アメリアがエドマンズの惑星を強く推した時に言った愛の力を信じたい。そして、クーパーの家族の元に必ず帰るという強い気持ちや、マーフは最後まで「必ず帰る」と言った父の言葉を信じ、方程式を解き続けプランAを成功させていました。
そうです!人類を救うのは、か~な~ら~ず最後に愛が勝つ~♪と強いメッセージを感じます。
またノーラン監督は、一部の選ばれた人々が月面着陸、探査衛星や宇宙ステーション等の未踏の宇宙を開拓してきた歴史からヒントを得て…
人類存亡の危機に未踏のブラックホールへ挑み人類が住める惑星を探索するという壮大なスケールの物語を考案し脚本を手掛けています。
このインターステラーも噛めば噛むほど奥深~い作品です。