今回紹介するドラマは マーベラス・ミセス・メイゼル シーズン3
シーズン3は、2019年にアマゾンスタジオから配信(全8話)されています。
【マーベラス・ミセス・メイゼル】のアイデアは、エイミー・シャーマン・パラディーノ監督自身の人生から触発されたものでした。
彼女の父親がプロのコメディアンだったのです。
そうした環境で育ったシャーマン・パラディーノ監督は、子供の頃にレニー・ブルースの母親と会っていたそうです!
実在したレニー・ブルースを紹介
S1からミッジのコメディアン仲間として登場するレニー・ブルース。
マーベラス・ミセス・メイゼルには、ソフィやシャイなどの架空の有名人が登場しますが、ブルースは実在したコメディアンです。
他の登場人物同様に、彼もユダヤ人でした。
1950年頃から1966年に活躍したコメディアンで1966年40歳という若さで亡くなっています。
死因はモルヒネ中毒だと言われています。
ドラマで描かれている通りブルースのジャンルは、風刺、政治、宗教、性別とフリースタイルで批判的なトークが特徴で当時人気を博していました。
しかし、下品なネタも多く当時の猥褻罪で頻繁に逮捕されています。この為人気コメディアンでありながら、テレビ出演はたったの6回だけでした。
ところが、そのような状況でも1961年にブルースは、あのカーネギーホールで公演を果たし、3枚組のレーコードに録音され販売されました。
このドラマでレニー・ブルース役を演じたルーク・カーヴィは、S2の10話“all alone(1人きり)”の演技が評価されプライムタイム・エミー賞コメディ部門のゲスト男優賞を受賞しています。
正に、レニー・ブルースが降りたのでは…!と思うほどの素晴らしい演技でした。
ルーク・カーヴィがどれほど素晴らしい仕事をしたのか↓ご覧ください。
シーズン3では、当時の芸能界の裏側がリアルに再現され、その厳しい業界でミッジとスージーの生き残りを賭けた懸命な姿が描かれています。
キャスト紹介
メインキャストはこちらでご確認ください。
メイ・リン/ステファニー・スー
中国人違法賭博場を取り仕切る医学生。ジョールと接するうちに2人は惹かれ合っていきます。
レジー/スターリング・K・ブラウン
シャイ・ボールドウィンのマネージャー
キャロル・キーン/ライザ・ウェイル
シャイ・ボールドウィンのバンドメンバー。ミッジと親しくなります
ギャヴィン・ホーク/ケイリー・エルウィス
有名舞台俳優。ソフィの初舞台共演者
あらすじ
新たなステージへ
ミッジは、レニー・ブルースの”all alone”を観た後…
プロのコメディアンになるための犠牲の大きさや孤独感という現実を改めて実感していました。
そして、彼女は孤独感に苛まれ、自分を愛してくれている人の元を訪れます…
その人とは、ベンジャミンではなく…ジョールでした。
夜明け前、ミッジはジョールがまだ寝ている間に部屋を出て行きます。
翌日、ミッジはシャイ・ボールドウィンの前座として米軍慰問のショーに出演していました。
初めての前座の舞台で、シャイを紹介し忘れてしまうミスをしていまいますが漫談は大盛況でした。
一方のジョールは、父親のモイシからクラブ候補地としてボタン業者が所有していた空き倉庫の話を聞きます。
そのダウンタウンにある倉庫は、元クラブだった物件でバーカウンタもあるという好条件でした。
ミッジは、ショーの合間にジョールに電話を掛けますが、ジョールはどこか素っ気ない様子なのです。
そして心の行違う2人は、電話をくれなかったという話から最後に口論になってしまいます。
ジョールの本心は、あの夜の「一晩だけ…」と言ったミッジの言葉に苛立っていたのでした。
ミッジは「電話をくれると…」とジョールに甘えますが…
「待ってた?心変わりした?」ジョールの問いかけには
電話が無かったことを「怒ってはいない」とミッジは答えをはぐらかしてしまいます。
結局、気まずい空気のまま、2人は電話を切りました。
その後、ジョールはモイシから紹介された物件の下見に行ってみると…
その物件は、ダウンタウンでは無くチャイナタウンにあり、案内人は英語が話せない初老の中国人男性でした。
いかにも怪しい物件でしたが…状態も悪くなく、しかも賃料も安いと好条件です。
ジョールは、思い切ってその場で即決しました。
その結果は…吉と出るか、凶と出るか!
ミッジとジョール、それぞれの新たなステージが始まろうとしていました。
勝手に私見考察
ここからはネタバレを含みます
S3では、自立がテーマだったように感じます。
“自分の人生の舵を握る”
このセリフの通り、それぞれの人生の舵を取りはじめる展開でした。
ミッジはジョールに捨てられてしまい、それまでの人生プランは崩壊してしまいました。そして、S3でプロのコメディアンとしてリスクを取って生きていく事を選択しています。
ジョールは、今まで人に甘えてばかりいた自分を変えて、初めて自身の力でクラブ経営者になる事に成功しています。
そして、ローズもエイブの決断に振り回され何もかも失った教訓からお見合いの斡旋を始め、またミッジの友人イモジェンは、秘書の学校へ通い自立の道を開こうとしていました。
しかし人生の舵を握るという事は、同時にリスクや責任も一緒に背負う事になります。
人生の中で、誰しも大きな失敗をしてしまいます。
人生は何度でもやり直せる…確かに!しかし…その軌道を修正する為にはやり直すパワーと5年、10年と長い月日のかかる事もあります。
そこで挫けずに、ミッジやジョールのように失敗から多くを学び成長して行く姿はとても輝いて見えます。
若いって羨ましい!(何だか年寄り臭くなりましたが…)
だがしかし~若い人ばかりではありません。
S3ではブルースに感化されたエイブやローズも第2の人生を歩み始めています。
パワーがあって羨ましい!(これが一番の感想とは…)
何と!ラストに…またまたミッジとスージーは、大変な窮地に立たされることになってしまいます。
芸能界って怖~い!