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【ドラマ:イン・ザ・シャドーズ】あらすじ、キャスト紹介。ウィルスを操るシリアルキラー チェコ発のサスペンス

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今回紹介するドラマは イン・ザ・シャドーズ

2018年 チェコTV製作 監督:トマーシュ・バジーナ

原題:Vzteklina(狂犬病)

この作品は、2019年度 チェコライオンベストTVシリーズのノミネート作品です。

ドラマの撮影では、過酷な自然条件のもとで撮影期間4ヶ月をかけ、肉体的にも精神的にも非常に厳しいものだったそうです。

その為トマーシュ・バジーナ監督の体重は7キロ減!

撮影の過酷さが伺えますね。

こうして撮影された【イン・ザ・シャドーズ】は、登場人物が多くストーリーが複雑、

なお且つ、チェコの歴史に疎い私はストーリーの展開に付いていくのがやっとでした。

しかし、チェコの作品はいつも期待を裏切らず非常に面白い!

強いてあげれば、難しい言語と言われるチェコ語と日本語の字幕…

この字幕が悲惨過ぎて…簡略化&間違いが多く複雑なストーリがますます複雑に~

Vzteklina (trailer)
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【イン・ザ・シャドーズ】補足

作品を観る前に…事前に知っていたらもっとストーリーを楽しめると思った2項目を補足していきます。

ドイツ人も日本人同様に、降伏後はかなり過酷な状況に置かれていたようです…

第2次世界大戦後のドイツ人追放の概要

戦時中ナチスは、チェコスロヴァキア共和国(現在はチェコ共和国、スロバキア共和国)の

ズデーテン地方にドイツ人住民が多く居住していた事を理由に、

同地域の併合を画策し進駐します(何と!現在のロシアと同じ理屈とは…)

そして、ミュンヘン協定で併合をゴリ押しし国際社会に認めさせると、

チェコスロバキアは解体されボヘミア・モラヴィア地方がドイツの保護領となりました。(ドラマのブチーナ市は南ボヘミア地方です)

1945年ドイツの敗戦によって、チェコスロヴァキア共和国の亡命政府ベネシュ大統領は、ドイツ系住民及びハンガリー系住民の市民権の剥奪と私有財産の没収を命ずる大統領令を発しました。

これにより領内に住んでいた250万人を超えるドイツ系住民を追放して、ドイツ人問題を「解決」しました。

引用元:ナチス・ドイツによるチェコスロバキア解体 (この記事を読むと分かりますが、ウクライナ侵攻と非常にダブります)

引用元:チェコの歴史 (wikipedia)

このドラマの根源になる、ドイツ系住民追放の解説を頭に入れてお楽しみください。

狂犬病について

日本では、1950年以降狂犬病予防法が施行され、1956年に1人の死亡を確認して以来、国内での感染は確認されていません。

しかし、海外で感染し国内で死亡するケースが2000年以降でも確認されています。

狂犬病とは
  • 病原体:狂犬病ウイルス
  • 感受性動物:全ての哺乳類(ヒトを含む)
  • 感染経路:狂犬病にかかった動物(罹患動物。アジアでは主にイヌ)に咬まれた部位から、唾液に含まれるウイルスが侵入。通常、ヒトからヒトに感染することはなく、感染した患者から感染は拡大しません。
  • 治療:発症後の有効な治療法はありません。
  • 人を対象とした予防:罹患動物に咬まれた場合、ワクチン接種等を行う。海外の狂犬病発生国で頻繁に動物に接する場合には、渡航前に狂犬病ワクチンの接種を行う事が効果的です。
  • 症状:発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、疲労感といった風邪のような症状がみられ、咬まれた部位の痛みや知覚異常を伴います。その後、興奮や不安状態、錯乱・幻覚、攻撃的状態、水を怖がるなどの脳炎症状を呈し、最終的には昏睡から呼吸停止で死亡に至ります。

発症してしまうと有効な治療法が無く100%の致死率という恐ろしい感染症です。

参考:厚生労働省:狂犬病

狂犬病の発生がない国は、日本を含め僅かな国のみです(ノルウェー、スウェーデン、アイスランド、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、台湾、日本、グアム、ハワイ、フィジー諸島)

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キャスト紹介

メインキャスト

パベル・ログル/クリシュトフ・ハーデク

主人公の国家獣医研究所(SVU)からブチーナ市に派遣されたウィルス学者(俳優の山田孝之にソックリ)

バセック博士/ヤン・ヴラサック

ブチーナ市の開業医。ログルの捜査の協力者。

ガブリエラ・ブレショヴァ/ヨハナ・マトゥスコワ

山小屋事件の生存者のブレスの娘。ログルとは大学の同窓生でバツイチ。

タニャ・ブレショヴァ/ガブリエラ・ヘクロヴァ

山小屋事件の生存者のブレスの娘でガブリエラの妹。

パディ・プディル/イホル・クロトヴィッチ

アロイス・プディルの孫でタニャのボーイフレンド

警察関係

※海外での警察官の役職は、軍隊と同じ国が多いです。

少佐=警部、中尉=警部補といったあたりだと思います。

バレンタ少佐/レオズ・ノハ

市の警官。長髪で粗暴なイメージの彼ですが、仲間との絆は強く、捜査が進むにつれてログルにも信頼を寄せます。

シレク中尉/フィリップ・カプカ

市の警官

ブロジュ中尉/ステファン・カプコ

市の警官

プレスロヴァ中尉/パヴラ・ベレトヴァ

市の女性警官

ニクロヴァ博士/エヴァ・レインウェロワ

優秀な警察病理学者

山小屋事件の遺族

ヤン・クーバ/ルーカス・メルニク

山小屋で殺されたクーバの遺族。ブレショヴァ姉妹の隣人。

ジトカ・スヴェイドワ/ペトラ・ジンドロワ

山小屋で殺されたスヴェイダの未亡人。村でパブを営んでいます。

ロマーナ・スヴェイドワ/アグネス・ルセバ

スヴェイダの娘。母親のパブを手伝っています。

事件との繋がりのあるキャスト

スタニスラフ・マシャール/スタニスラフ・マジェル

ガブレタ・ホームステッドの運営者。

ヴァーツラフ・ブレシュ/イゴール・ベアス

ガブリエラとタニャの父親。山小屋で起こった殺人事件の唯一の目撃者で容疑者。事件以降は精神病院に入院しています。

アロイス・プディル/ヤン・ノヴォトニー

パディの祖父。村では変人と思われています。凶暴な犬を2匹飼っています。戦時中は国家管理者を務めていました。

ハーベック/ズデネク・ミュシャ

戦後の警備隊員で当時の事件を知る数少ない証人

エルナ・ヘルツ(老年期)/ズデンカ・プロチャズコワ

ドイツ人の老女。10年前から失踪していたが、プロケッシュ家の廃墟址で白骨化遺体で発見される。戦時中ドイツ人のプロケッシュ家に仕えていました。ドイツ人追放の人証。

その他キャスト

カレル・パペシュ/プレミサル・ブレス

ログルの滞在先の大家。妻の浮気を疑い夫婦喧嘩ばかりしています。

カテジーナ・ログロヴァ/アデラ・ペテロコワ

ログルの妹でジャーナリスト

マドロシュ市長/ミロスラフ・ハヌス

ログルの強引な捜査に敵対もしますが理解を示します。

あらすじ

連続殺人事件の始まり

ある夜、ブチーナ市のシュマヴァ村にある山小屋で3人の密猟者が酒とカードゲームで楽しんでいました。

男達は、浴びるほど酒を飲みかなり酔いが回っています。

外は、大きな雷が鳴り今にも雨が降り出しそうでした。

ブレシュという名の男は、ゲームを切り上げ2階で酔いつぶれて寝てしまいました。

ますます天候が悪化し雷と雨が激しくなる中、クーバとスヴェイダの2人はゲームを楽しんでいました。

ところが、発電機が止まり小屋は停電してしまいます…

外では何か不気味な気配が迫っていました…そして、何者かがクーバーとスヴェイダを襲い、2人は無惨に殺されてしまったのです。

狂犬病が治まらないブチーナ市では、獣医局の法令でペットに対し予防措置が布かれていました。

そこで、プラハの獣医研究所は、ウィルス学者のログルをブチーナ市へ派遣していました。

ブッチーナに到着後、先に滞在先に寄ったログルは、

大家夫婦の喧嘩に遭遇してしまい、いきなり居心地の悪さを感じます。

その後、彼は市役所へ向かいブチーナ市のマドロス市長を訪ね、ワクチン接種に必要な書類を受け取りました。

すると市長は、足の無いロルグに自家用車を貸してくれると言います。

ロルグは市長と共に自宅へ向かう事になりました。

車で移動中、市長は町の様子をロルグに説明します。

住民達は緊急事態が布かれイベントの開催や旅行に行けず、イライラしている状態が続いているようです。

ログルは「次に広がれば致命的です」と市長に進言しました。

この町では、狂犬病に対する住民の警戒心が薄く

ペットの犬は放し飼いで自由に走り回り、中には首輪もつけていない犬もいます。

市長の家へ着いたログルは、往診に来ていたバセック博士と会いました。

博士は狂犬病の発生源についてログルに見解を求めます。

「狐の死骸だと思う」とログルは答えます。

市長は、これからワクチン接種をログル1人で行うように言うと、移動手段のないログルに古いVOLVOを貸してくれました。

「警察の依頼らしいな?」市長が探るように聞きます。

ログルは「調査で」と答えました。

「事件か?あいつらめ」と市長は意味深に呟きます。

ログルは、調査についてまだ詳細を知らされていませんでした。

市長は、1週間前に起った山小屋の惨殺事件を話し始めます。

酔った3人の男のうち2人は殺され、1人は精神病院に入院し住民達の噂が絶えない…

「葬儀も終わっていない。どういう事か分かるか?」と市長は言い残して立ち去りました。

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勝手に私見考察

ここからはネタバレを含みます

事件当初は、雑な捜査と検死報告でブレシュを犯人と決めつけていましたが、全くの部外者であるウィルス学者のログルが派遣され山小屋殺人事件は狂犬病の熊の仕業と判明します。

しかし冤罪が阻止された事件は、その後連続殺人事件に発展していきます。

山小屋殺人事件は、シリアルキラーが巧妙に仕組んだ復讐殺人の始まりだったのです。

犯人はターゲットの被害者にそれぞれサインを残しています。

  • 喉に牙=被害者プディル 戦争当時の国家管理者
  • 縫われた口=被害者クーバ 父親のアーノスト・クーバは、戦争当時の国家委員会の会長で密告者
  • 股間に塗られた牛の血=被害者ウルバン 終戦後のドイツ人追放時の警備隊員

この複雑怪奇な事件…見た目は山田孝之似。頭脳は名探偵コナン並みの推理力!…のウィルス学者が凄かった。

この事件の難解さに惹きつけられます!

他人には冷たく思いやりもない村人達…覗き見したり、直ぐにキレたりとクズっぷりが凄いですが、どこかに正義感みたいなものを持っている不思議な人達でした。

チェコの犯罪スリラー作品…降伏後の悲劇を描いた秀作です。

お勧めです!

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