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【映画:説き伏せられて】2007年版のあらすじとキャスト ジェーン・オースティンが描くリアルな女の幸せとは…

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今回紹介する映画は 説き伏せられて

2007年イギリス製作 監督:イギリスの映画・テレビ監督のエイドリアン・シャーゴールド

原題:Persuasion

上映時間:92分

原作:ジェーン・オースティンの最後の小説『説得』

2007年度版【説き伏せられて】はイギリス公共放送のITVのジェーンオースティン・シリーズ5部作の

1作目として企画されました。

イギリスのみならず世界各国で愛され続けるジェーン・オースティン

彼女の5部作なんて!

観たい!是非とも観たい!

何故なら、ジェーン・オースティンの作品は、恋に憧れる女子の期待を裏切らないからです。

乙女のみなさん!鉄板のハッピー・ラブストーリーを是非お楽しみ下さい。

Jane Austens Persuasion – Verführung 2007 (Deutscher Trailer)

そして、ジェーン・オースティンの作品には、必ず財産目当ての最低な男が登場します。

今回の最低男も中々ですよ。

純粋な女性を騙そうと近づいてくる輩がいつの時代もいるんですね。

そんな悪い奴を見抜いて、理想の男性をゲットしなさい!

とまるでオースティンが激励しているようにも感じますね。

おススメ度:★★★★☆ ジェーン・オースティン作品で92分の上映時間とは短過ぎ!しかし、その短い中で脚本がよくまとめられていました。
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キャスト紹介

     

                    出典:Wikipedia

アン・エリオット/サリー・ホーキンス

ウォルター・エリオット准男爵の次女で27歳。8年前に将校のウェントワースと婚約をしましたが、周囲の反対に負けて破談したことを後悔し続けています。

フレデリック・ウェントワース大佐/ルパート・ペンリー=ジョーンズ

かつて青年将校の頃にアンと出会い大恋愛をします。しかし、アンが周囲に説得され破談になり、アンを憎み去ってしまいます。その後、フリゲート艦の艦長となりナポレオン戦争で大戦果を挙げ一財産を築きます。しかし、8年経った今もアンを許せないままでいました。

サー・ウォルター・エリオット准男爵/アンソニー・ヘッド

3姉妹の父親 特に長女のエリザベスを寵愛しています 面子に拘るあまり散財してしまい、ついに屋敷を人に貸す羽目に 

因みに、準男爵とは

イギリスの世襲称号の1つ、またそれを持つ者。従男爵とも。男爵の下位、ナイトの上位に位置する。準男爵は世襲称号の中では最下位で、貴族ではなく平民である。貴族院にも議席を有さない。 準男爵位は爵位と異なり、準男爵という肩書

参考:Wikipedia準男爵

エリザベス・エリオット/ジュリア・デイヴィス
准男爵の長女29歳 アンの姉 准男爵位を継ぐ予定の遠縁のウィリアムとの結婚を密かに願っていました
メアリー・マスグロウブ夫人/アマンダ・ヘイル
准男爵の三女でアンの妹 2人の子供の母親 何かにつけアンを頼りにしています
チャールズ・マスグロウブ/サム・ヘイゼルディン
エリオット家に次ぐ資産家のマスグロウブ家の長男 狩りが大好き
ラッセル夫人/アリス・クリゲ
未亡人で、亡くなったアンたちの母親の親しい友人
そのため、エリオット家の近くに住み、子供がいないこともあってアンを溺愛しています

 

クロフト提督/ピーター・ワイト
ウェントワース大佐の義兄 出身地に近いよい物件を探していたところ、ケリンチ邸に住めることを喜んでいます

 

提督夫人/マリオン・ベイリー
ウェントワース大佐の姉で気の良い夫人

 

ミセズ・クレイ/メアリー・ストックリー
エリザベス・エリオットのお気に入りの若い未亡人 シェパード弁護士の娘

 

ウィリアム・ウォルター・エリオット/トバイアス・メンジーズ
エリオット家の親戚でエリオット准男爵に男児が誕生しなければ相続人になる予定。

あらすじ

準男爵のウォールター卿は、無分別な浪費によって、財政難に陥っていました。

しかし、体面ばかりを気にするウォールター卿と長女エリザベスは、苦しい台所事情を全く理解していません。

そこでウォールター卿の次女アンは、借金返済のためケリンチ・ホールの邸宅を人に貸し出す事にしました。

今日も屋敷の家具を1つ1つ確認したり、アンは慌ただしく準備に追われています。

すると外から馬車の音が聞こえてきます。

窓から邸宅に入ってきた馬車を見たアンは、急いで玄関に向かいました。

その馬車から降りてきたのは、アンが母親のように慕うラッセル夫人です。

「大好きなアン お疲れのようね」

ラッセル夫人は、アンを抱きしめました。

「手紙を読んだわ とても苦しい状況ね」

ラッセル夫人は、エリオット家を案じてとんで来てくれたのです。

そして、生活費を切り詰めれば邸宅に住み続けられるのでは…

と彼女はアンの相談に乗ってくれました。

しかし、父と姉には節約など絶対に無理だとアンは胸の内を吐露します。

そして邸宅を人に貸し、別荘のバースで暮らせば数年で家計は持ち直せると説明しました。

「貸すの?」

ラッセル夫人は驚きます。

「売るよりマシよ 戻る望みはあるわ」

アンは、難色を示すラッセル夫人にそう言って諭しました。

そしてラッセル夫人は、庭で談笑しているウォールター卿とエリザベスに挨拶をしました。

「ウォールター卿、ケリンチ邸を出られるのね」

「我々に非はない 可能な努力はした」

どうやら、ウォールター卿に何を言っても無駄なようです。

そして、エリザベスも

「慈善活動の一部もやめました 客間の家具を変えるのも諦めました」

とイチゴをほお張りながら言い訳を言う始末です。

「できる限りのことはやった」

「そうですね」

ラッセル夫人は、ウォールター卿を慰めるように言いました。

するとウォールター卿は顧問弁護士から朗報が届くと言って

ラッセル夫人にシェパード弁護士を紹介します。

振り向くとシェパードとその娘のクレイ夫人が並んでいました。

「クレイさんよ ご主人は亡くなったの よくお見えに」

アンは、意味ありげにラッセル夫人に囁きます。

そして、挨拶を交わしたシェパードは、邸宅の借主が現れたと嬉しそうに言いました。

「申し分ないお相手です 海軍提督です」

しかし、軍人と聞いたウォールター卿はとても不満気です。

「野蛮な海軍か 役に立つ連中だが 友人には望まん」

そう言ってウォールター卿は反対しました。

彼は、身分の低い者でも出世できる軍人が許せないのです。

そこで、シェパードは提督は大変な資産家で信頼できる借り主だと説得しますが

それでもウォールター卿の態度は変わりませんでした。

そこで、今度はクレイ夫人が助け舟を出します。

すると、頑なだったウォールター卿はクレイ夫人の説得に渋々承諾したのです。

「それではクロフト提督と話を進めます」

シェパードは、ウォールター卿の気持ちが変わらぬうちに畳み掛けました。

「クロフト?」

今度は、それを聞いていたアンが驚いています。

「そうです お知り合い?」

「はい…いいえ ご名声を存じているだけ では、私は準備を」

するとアンは、まるで動揺する自分を隠すように足早に立ち去りました。

そして、部屋に戻ってもアンの動揺はおさまりません。

するとそこへ、アンの動揺を見逃さなかったラッセル夫人が部屋に入って来ました。

「アン どうしたの?何かあったの?」

「何でもないわ」

アンは苛立って言いました。

「アン クロフト提督の名前が何か?」

するとアンは、言葉を詰まらせながら話し始めました。

「提督の奥様は…」

「ご夫人?」

「ええ…クロフト提督夫人の弟さんは…ウェントワース大佐よ」

「ウェントワース…!」

「そうなの あのお方がおいでになる…」

ウェントワース大佐とアンは、8年前に結婚を誓った恋人同士だったのです。

しかし、当時のウェントワース大佐は、財産もない下級将校でいつ戦争で亡くなるかもわかりませんでした。

軍人嫌いのウォールター卿だけでなくラッセル夫人も

まだ、若いアンの結婚に強く反対し彼女を説得したのです。

「あの若さでは、婚約を解消して良かった 本当よ」

「そうかもしれない でも、大佐は戦争で莫大な財産を築いたわ」

「手紙が来たの?」

ラッセル夫人は、ウェントワース大佐の事を知っているアンに驚きます。

「まさか…新聞で知っただけよ」

「もし、本気で愛してたなら事情が変わったと知らせたはずよ」

「あなたは悪くない」

そう言ってアンは涙ぐみます。

ラッセル夫人が本当にアンの事を思っているとわかっているからです。

しかし…

アンは8年もの間、ウェントワース大佐を忘れた事などありませんでした。

そして、27歳になった今もアンは独身のままです。

そんな2人が再び再会するなどと…

続きは本編で!

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(配信は投稿時のものとなります)      

 

勝手に私見考察

ここからはネタバレを含みます

何度観ても、やっぱりジェーン・オースティンの作品はイイですね~

ところで、オースティンの生きた時代はアメリカの独立宣言やフランス革命なども起こった地球規模で激動の時代だったんです。

しかし彼女の作品と言えば、平凡な田舎の出来事で名家の娘と牧師や軍人や紳士など登場人物たちが、紆余曲折を経てめでたく結婚して終わるという

実に平凡なハッピーエンドの恋愛小説ばかりなのです。

そして、この【説き伏せられて】も…

若い頃の2人が、周囲の反対を押し切って駆け落ちでもした方が断然ドラマチックな物語であり

作者側も描きやすかったのでは…

とド素人の私は考えてしまいますが

しかし、非凡なオースティンは

19歳のアンが婚約の破談後も健気に彼のことを想い続け

何と、その元カレと8年後に運命の再会、そして紆余曲折を経てハッピーエンドになるまでを描きました。

再会した後の2人の展開は、ウェントワースの態度は冷たくアンを傷つけ

そして、彼の行動や言動によってアンの心はかき乱される一方でした。

また、彼への想いをひたすら隠し続けるという非常に陰鬱とした物語なのです。

ですが…そこはオースティンの手にかかれば退屈どころか、アンの葛藤がまるで自分のことのように感情移入して、ハラハラして観てしまいました。

おまけに、この作品の面白さは他にもあります。

それは、19歳のアンは周囲に説得され結婚を諦めますが…

”大好きだけど貧乏で、もしかしたら戦死してしまう可能性のある恋人を選ぶ!”

というウェントワース大佐との結婚は、実は究極の選択だった訳です。

私がラッセル夫人でも2人の結婚に反対したと思いますよ。

ところがアンは、ラッセル夫人にあの時破談したのは間違いだったと責めました。

果たしてどうでしょうか?

8年という辛い時期を経た後に再会した元恋人は

地位も名誉も得たリッチな大佐で、今度こそ2人は結婚出来たのですから

終わりよければすべてヨシ!

オースティンは、女性の本当の幸せを追求したリアリストなのかもしれませんね。

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